新上五島町の産業別就業者の構成比は、平成27年国勢調査で第一次産業が10.6%第二次産業が16.3%第三次産業が72.8%を占めています。産業分類別では、サービス業36.5%で最も高く、次いで卸・小売・飲食店20.8%建設業10.7%の順になっています。

新上五島町は、日本有数の好漁場として水産資源に非常に恵まれており、定置網のほか、まき網や船びき網、一本釣等の漁船漁業と、養殖業が営まれています。
ブリ、アジ、マグロ、サバ、とびうお、イカ、タコ等多種多様な水産物が水揚げされ、新鮮な四季折々の水産物に恵まれています。

農産物については、直売所を中心とした地産地消を推進しており、きゃべつ、ほうれん草やアスパラガス等の葉茎菜類、トマト、なす、ピーマン、オクラ等の果菜類、大根、玉葱、馬鈴薯、さつま芋等根菜類などが販売されているほか、つわぶき、さやいんげん、とうがらしなどの島外出荷品目が生産されており、また、肉用牛の経営に取り組んでいます。

さらに、遣唐使が伝えたとも言われる五島手延うどんは日本三大うどんの一つにも挙げられおり、麺の乾燥を防ぐ為に五島列島地域にゆかりの深い椿油を表面に塗られた麺はコシの強さや喉ごしの良さに特徴があります。

新上五島町には、遠浅で砂浜が美しい蛤浜海水浴場や入江が織りなす美しい景観の若松瀬戸、国の天然記念物に指定されている奈良尾神社の樹齢670年を越す巨木のあこう樹、椿の原生林など、島内全体が自然資源の宝庫と言えます。

また、歴史的経緯から人口の約25%はカトリック信者が占めており、明治時代から建築されてきた教会が29も存在する一方、国境の島として日本・中国・朝鮮の交流の長い歴史を誇る日本遺産「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」に認定された遺産もあり、さらに、国内外各地から交易や水産業などを理由とする移住者を受け入れてきた歴史から、国指定重要無形民俗文化財の「五島神楽」などの数多くの伝統行事が日常生活に溶け込んでいます。
このように国境の離島として独自の社会や文化が形成されてきました。

新上五島町では、基幹産業の水産業を始めとする産業の活性化に努めるとともに、食、自然や文化の観光資源を活かした観光業の活性化に取組んでいるところです。